私が11年の在宅介護の経験から学んだ介護における口腔ケアの重要性をお伝えします。
私が介護に携わる事になったのは11年前のことです。
過去に脳出血を患い左半身不随となり、13年前に再び倒れ、意思の疎通が困難な状態になった父を実家で在宅介護をしようと決めたのが始まりです。
その日から毎日おむつ替えや対位交換などを日々行なうようになりました。
そんな日々の中で、「口腔ケア」に出会ったのは4年前のことです。
ある日、自宅でオムツ替えをしようとオムツを開くと大量の下血。オムツの中は血の海でした。すぐに救急車を呼び、かかりつけの病院に搬送され、そこで進行性の大腸がんが見つかりました。
治療を望まない選択をした私たちは在宅介護を続けるために容態が安定するまで入院をさせることになりました。
そしてその頃、その病院では口腔ケアが患者に与える影響を実証する為に歯科衛生士による吸引機を使いながら歯ブラシやリステリンのような物を含ませてたスポンジ等を使った口腔ケアが行われていました。
面会に行った際にその光景を見ていた私は、父が退院してから見よう見まねで試してみました。
始めは、仕事や家庭との両立のため頻度は週に1、2回程度でしたが、1年前に縁あって父の支援に入っていた当社に採用をしていただき、それを機に週に3回仕事として父の支援に入ることができるようになりその度に口腔ケアを行うようになりました。
するとその年、父が毎年決まって年末になると出したいた原因不明の高熱が必ず出ていた高熱が出ませんでした。
その事を父を担当していた口腔ケアに精通した訪問医に話すと、「口腔ケアを定期的に行っているおかげで誤嚥性肺炎にならなくなって熱が出なくなった可能性が高い」というお言葉をいただきました。
それからも週3回の頻度で口腔ケアを欠かさずに父の介護にあたりました。
その甲斐あってか、進行性の大腸がんを患ってから、父は治療をせず4年も頑張ってくれました。
そして、先日、父はその生涯を全うしました。
この記事を読んでくださっている方の中には、歯ブラシでは口内を傷つけてしまいそうで怖いと思う方もいると思います。
その場合は、口腔ケア用の棒の付いたスポンジを湿らせて口の中を拭うだけでも違います。
薬や医療器具を使った看病や介護はもちろん寿命を伸ばす上で必要不可欠でありますが、「口腔ケア」を行うことも非常に大切なんだと私は父の介護を通して実感しました。
大変恐縮ながら、医師や看護師さんからもお墨付きをいただくことができました。
私ごとではありますが、父が繋いでくれた当社とのご縁に心から感謝と幸せに思います。
この度は、僭越ではありますがぜひ皆様の参考になればと思い記事を書かせていただきました。
私の支援におけるモットーは『思いやり』です。
父の11年間の在宅介護は終わりましたが、これからも、父の介護での経験活かし、他の利用者様が毎日を心地よく過ごせるような支援を目指して日々、経験を積みながら成長していきたいと思っています。
これからも宜しくお願いいたします。